脱初心者編:アセットストアの諸機能とパッケージの扱い

アセットストアで購入したアセットは、「今すぐ使いたい!」と思って買って使ったアセットのほかに、「便利そうだし、後で使うかも」と買い置きスタイルで入手したアセットもあるかと思います。SNSなどで紹介されていたアセットを先に買っておく、ということもよくあるでしょう。今回はこれまでに購入したアセットを効率的に見つける方法と、この先に買いたいアセットをブックマークしておく機能について紹介します。
購入したアセット一覧を効率的に閲覧する
まず、アセットストアにアクセスし、自分のUnity IDでログインします。右上メニューの下向き矢印アイコン([↓])をクリックしてダウンロードマネージャーを開きます。
ダウンロードマネージャーで購入したアセットの一覧が確認できます。この中で、例えば、購入したアセットの中からエフェクトのアセットを見つけ出したい場合は、「グループ」でアセット一覧を並べ替えてみましょう。さきほどのスクリーンショットでは「出版日(リリース日)」で並べ替えていましたが、これを「カテゴリー」に設定を変えてみます。
この状態では、カテゴリーの名前順でソートされている状態ですので、一番左の「すべて閉じる」ボタンをクリックします。そうすると、カテゴリーの欄がいったんすべて閉じます。
今回の例ではエフェクトのみを見たいので、「Particle Systems」の項目の左端にある「+」をクリックします。これで畳まれた表示が開き、パーティクルカテゴリーにあたるアセットのみが見えるようになります。
グループとその表示の開き・閉じを使うだけで、自分が所持しているアセットの見通しが良くなります。
ダウンロードしたアセットのパッケージをいったん削除する
すべてのアセットは、一旦.unitypackage形式でダウンロードされるようになっています。サイズが大きいパッケージで、すでにUnityのプロジェクトにインポートしており、ほかのプロジェクトではあまり使う機会がなさそうなアセットの場合は、PCの容量を圧迫してしまっていることになります。そういったパッケージは、削除してしまうことも一つの手です。(一度購入したアセットをPCから削除しても、そのアセットが販売終了にならない限り後日いつでもダウンロードすることができますからご安心ください。)
今度はダウンロードマネージャーをUnity エディタの中で開いてみましょう。Unityを立ちあげてメニューの「Window」から「Asset Store」を選択し、アセットストアを開きます。
ブラウザでアセットストアを開いた場合と同様に「↓」の アイコンをクリックして、ダウンロードマネージャーを開きます。
ブラウザで「Unityで開く」となっていたボタンは、Unity エディタの中では「インポート」
「ダウンロード」という2種類のボタンに変わっています。
「ダウンロード」ボタンをクリックすると、そのアセットの「.unitypackage」のダウンロードが始まります。
PC内に.unitypackageが保存してあるアセットは、「インポート」ボタンがクリックできるようになっています。この例のアセットはPC内にキャッシュされているということです。
キャッシュされた.unitypackageの位置は、Windowsの場合、
C:\Users\[ユーザー名]\AppData\Roaming\Unity\Asset Store-5.x
Macの場合、
¥Users¥ユーザー名¥Library¥Unity¥Asset Store-5.x
にアセットパブリッシャーごとのフォルダに分けられた状態で保存されています。
コツとしては、スクリプト系のアセットは容量が少なめなのですぐダウンロードしておき、3Dモデル・テクスチャ・サウンドファイルなどは、使っていない順から一旦削除してしまうスタイルをおすすめします。
現代ではインターネット接続ができない環境で開発しなくてはいけないような場面は限られていますが、スクリプト系アセットはすぐに導入して使いたくなるシーンが多々あるものです。
購入したアセットにタグをつけて分類する
実は、購入したアセットは自分独自のタグをつけて整頓ができるようになっています。タグは、ダウンロードマネージャーの「タグを追加」というボタンから作ることができます。
初期設定の状態では、すべてのアセットに「#PACKAGES」というタグが付いています。ここに独自のタグ、たとえば「SDキャラと合いそうな素材」という分類で、 「#ForSDGame」 とつけてみましょう。非常に単純な名前のタグですが、タグは自分のアカウントでしか見えませんし、後から変更することも可能ですので自分が判別しやすい名前を付けておきましょう。
もっと大雑把に、新規プロジェクト作成時にいつも使うアセットに対して「#Itsumono」のようにタグ付けしてしまうのも有効です。
また、このタグ機能は複数のアセットで共通して使わなくてはいけないという制約はありません。前の投稿[リンク]で紹介した、「メガパック」系のアセットの中身のメモとして使うこともできます。メガパック系アセットは多様な素材を詰め合わせており、そういったパッケージの中にある目当ての素材を探しやすくできます。
たとえば、このパーティクルアセットには使いやすい爆発エフェクトが入っているので、「#Explode」とつけてみます。
こうして中身の説明をタグとしてつけておくことで、「あの素材どのパッケージに入っていただろうか」と考える時間を短縮できます。
欲しいものリスト機能
最後に、これから買うかもしれないアセットの扱いについて紹介します。それは「欲しいものリスト」機能です。アセットページのハートマークのアイコンをクリックすることで欲しいものリストに追加することができます。
とりえあえず気になったアセットはどんどん追加しておきましょう。
ちなみにこちら、著者の欲しいものリストです。目当てのアセットがセールになったときに発見しやすくなりますので、欲しいものリストは定期的に見るようにしましょう。
無料のアセットも欲しいものリストに追加できますが、その場合はすぐにダウンロードして、前述のダウンロードマネージャーで管理するとよいでしょう。
まとめ
購入したアセットは、少し手間をかけてあげることで使いやすさ・発見しやすさが向上します。いまいちど購入したアセットを振り返ってみて、ゲーム開発に取り入れていきましょう。
この記事を書いた人
一條貴彰株式会社ヘッドハイ 代表取締役
ゲーム作家・Game DevRel。小規模ゲーム開発者がもっと活躍できる世の中作りを目指して、ゲーム開発ツール・サービス専門のDeveloper Relation事業を行っています。ゲーム作家としての代表作は『Back in 1995』(Steam)。