アセットストア「脱」初心者講座 アセットストア検索のワザ

Unityユーザーの皆様。アセットストアを開いて素材や機能拡張を探している時とは、一体どんなシチュエーションでしょうか?おそらく、ゲームを開発する上で何かしら解決したい問題がある場面ではと思います。
アセットストア「脱」初心者講座シリーズは、すでにアセットを自分のプロジェクトに導入して少し使っている開発者を対象に、アセットの利用をもっと効率化する手段について紹介します。(まだアセットストアを触ったことがない!という方は、初心者講座の前編・後編[リンク]をぜひご覧ください。)
ストア内検索のフィルター機能
みなさんはアセットストアで検索を行うとき、「検索フィルター」の機能は活用していますか?欲しいアセットに関連しそうなキーワードで検索するだけではなく、いろいろな属性で絞り込むことで、素早く目当てのアセットを発見できます。
まずは、ブラウザもしくはUnity Editorから、アセットストアのトップページを開いて下さい。「検索….」と書いてあるバーの隣に「フィルター」というドロップダウンボックスがありますので、ここをクリックしてみましょう。
検索条件のオプションが開きました。トグルボタンやスライドバーを使うことで、これらを組み合わせてアセットを検索することができます。手始めに、「最高価格」の項目のスライドバーを左端の「FREE」のところまで動かしてみましょう。この状態で、探したいアセットを端的に表すような検索キーワードを入れます。たとえば「Cat」など…
猫に関する3Dモデルやテクスチャー、効果音などがヒットしますが、すべて「無償」のアセットに絞り込まれました。
スライドバーで設定した条件は、絞り込みキーワードとして検索窓へ自動入力されます。価格を「FREE」としたので、「price:0-0」という条件が検索窓に追加されています。価格以外にも、「評価」「対応するUnityのバージョン」「最大サイズ」「リリース日」「アップデート日」を絞り込み条件として利用することができます。
検索条件それぞれの項目について、順番に説明します。
- カテゴリー:
フィルタードロップボックスのすぐ下には、「3Dモデル」「アニメーション」など、アセットのカテゴリーから欲しいものを絞り込むメニューがあります。▼をクリックすると、さらに絞り込み条件を選ぶことができ、マウスオーバーでそのカテゴリーに属するアセットの数が表示されます。
「3Dモデル」「キャラクター」「動物」「哺乳類」まで絞り込みました。
一番下にあるカテゴリー「Unity Essentials」は、Unity Technologiesが提供している公式パッケージです。おなじみ「Standard Assets」といった基礎セットや、「Adam」などの技術デモのほか、「Unity Anima2D」「Cinemachine BaseRig」
などのように、将来的に Unityの機能として統合されてゆく予定になり、統合までの間無償で利用できるようになったアセットもこちらから入手することができます。
- 評価:
アセットを購入したユーザーがアセットに対してつけた評価で絞り込みます。設定した星の分以下のアセットは検索結果から除外されます。「機能」「性能」が中心的なアセットには有効です。
- 対応するUnityのバージョン:
配信済みのアプリを長く更新し続けている場合や、特定のプラットフォーム向けのUnityが古いバージョンしか提供されていない場合など、さまざまな事情で最新版のUnityを使えない場合があります。そのような場合にこのオプションを使います。
- 最大サイズ:
アセットの容量で絞り込みます。モバイルタイトルなどのようにファイルサイズが大きいアセットが扱いづらいような場合に目安としたいファイルサイズを設定してみましょう。ただし、ここで対象となるファイルサイズはアセットのパッケージの合計容量です。たとえば個々の素材の容量は小さいにもかかわらず、収録されている素材数が非常に多い場合には比例的にパッケージの合計容量が大きくなっている場合もありますので、探したい対象に合わせて使い分けてください。
- リリース日とアップデート日:
この検索条件は最初から設定するのではなく、検索結果が複数ヒットした時に、後からフィルターとして追加設定する手順で使うことをお勧めします。たとえばソーシャルネットワーキング関連の機能を提供するアセットが必要な場合に、検索結果の情報だけではどちらが自分にとってより良い選択か決めかねることがあります。
このような場合には、アップデート日によってフィルターしてみます。サービス連携のSDKで最終アップデートが古いアセットの場合、最新機能に追従していない可能性があるためです。
試しにアップデート日のスライダーバーを動かして、「1m」すなわち一か月以内に更新があったものに指定してみましょう。
比較的アップデート日が新しいアセットであれば、サービス側の最近の仕様変更にも追従いる期待が持てます。また、アップデートが活発なアセットは、この先の継続利用にも安心感が増します。
- パッケージとリスト
「パッケージ」はアセット単体、「リスト」はリスト作成者がテーマに沿ってアセットをまとめた、音楽でいう「プレイリスト」のようなもので、検索結果にこれを含めるかどうかのオプションになります。「リスト」については、今後の記事で追って紹介する予定です。
項目の説明とポイントは以上です。プロジェクトに必要なアセットを発見する時間が短いユーザーはこれらの検索条件の組み合わせ方が上手な方が多いですよ。
検索ワードのコツ
アセットストアで販売されているアセットは、日本語で紹介されているアセットも多くありますがそれらのアセットにも必ず英語版がありますので、検索キーワードとして英単語を使うことをお勧めします。
Google翻訳などを活用して英語化してから検索しましょう。いくつか例を示しながら検索キーワードの選び方をご紹介します。
-
Mobile Optimized
スマートフォンに対応しているアセットを重点的に探したいときは、「Mobile Optimized(最適化済み))というように2つのキーワードを組み合わせて使いましょう。
アセットストアで配信されているアセットの多くはモバイルでも使えますが、特にモバイル対応やモバイル向けに最適化済みであることを強調しているアセットは期待が持てます。 -
Mega Pack
効果音やBGM、アイコンなど、豊富なバリエーションの中から探したい、あるいはテイストが揃っている中から選び出したい時には、なるべくたくさん入っているアセットが欲しい!という場合には、検索したいキーワードに加えて「Mega Pack」を組み合わせることをお勧めします。これで、「大量の素材が詰め合わせになっているアセット」を見つけやすくなります。
セール品の検索
最後に、セール品の検索について紹介します。やり方はシンプルで、検索ワードに「on_sale:yes」という項目を足すだけです。
普段は「24時間セール」として、1日につき1つのアセットがセールに出ていますが、季節ごとに「MADNESS SALE」などのようにセールのテーマを表す名称で大型セールが行われています。
セールのための特設ページで一覧表示できますが、on_sale:yesを活用して欲しいジャンルのキーワードと組み合わせて調べると目当てのアセットを探しやすくなります。
まとめ
今回は色々な面からアセットストアでの検索について紹介してみましたが、いかがでしょうか?
アセットストア内検索を工夫することで、素敵なアセットに出会うための確率を上げましょう。
この記事を書いた人
一條貴彰株式会社ヘッドハイ 代表取締役
ゲーム作家・Game DevRel。小規模ゲーム開発者がもっと活躍できる世の中作りを目指して、ゲーム開発ツール・サービス専門のDeveloper Relation事業を行っています。ゲーム作家としての代表作は『Back in 1995』(Steam)。