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初心者向け「アセットストア」講座(前編)

執筆者:一條貴彰
2017.06.09

みなさん、「アセットストア」を活用していますか?Unityをインストールして一通り基本機能を触ってみて、さてどうやってゲームを作ろうか?と考え出した、ゲーム開発者のたまごのみなさん。
自分がどんなゲームを作りたいのか、はじめはなかなかイメージしにくいと思います。そこで、最初のゲームの土台となる素材を「アセットストア」で探してみませんか?
数多くのクリエイターによって、多種多様なゲーム素材が日々追加されているアセットストア。このアセットストアをまだ使ったことがない、存在は知っているけど特に触っていない、という人も(もしかしたら)いるかと思います。

アセットポータルの講座第一弾は、そうしたUnityの初心者抜け始めぐらいのみなさまに向けて、これから開発するゲームを強力にバックアップするアセットの利用方法について、チュートリアル的に説明します。

Unity Asset Store トップ

アセットストアって?

アセットストアは、Unityエンジンに統合されたゲーム開発向けモジュールの販売・流通システムです。
「アセット」というと何となくテクスチャーや3Dモデルのことが先に頭に浮かびますが、アセットストアの上ではそうしたアーティストの作ったモデルの他、プログラミングの負担を減らすAIシステムやアニメーションシステム、さらにはUnityエンジンの根底から機能を拡張するビジュアルスクリプティング環境など、ゲーム作りに役立つデジタルの素材がアセットクリエイターによって販売されている場所です。

ゲームを構成する要素、ポリゴンモデル、サウンド素材、エフェクト、スクリプト、モーションなどすべてを自分で作ることができ、かつ「楽しく」それができる人は少ないのです。(全部できる神のような人もたまにいらっしゃいますが…)
苦手な部分を(たまに少しのお金で)手伝ってくれる存在、それが「アセット」です。

価格は無料から数十万円まで幅が広く揃っています。一般的に価格の高いものは開発にそれだけ労力がかかっているアセットが多いようです。

そして、アセットストア上ではクリエイターの誰しもが販売・配信できるため、ゲーム作りの途中でできた素敵なスクリプトシステムや、(残念ながら)ゲーム本編で使われなかった背景データなどを販売することもできます。

さっそく使い方を学んできましょう。

Unity ID アカウントを作成

みなさんはUnityの利用を始める際に「Unity ID」を取得しましたか?
もしかするとインストールと初回の起動時だけに使っているかもしれませんが、これから学んでいただくアセットストアを利用する際にもUnity IDのアカウントが必要になります。同じUnity IDを使えますが、まずは念のため、Unity IDのアカウント作成方法についておさらいします。

アセットストアは下記URLからアクセスできます。
(https://www.assetstore.unity3d.com/)

右上のアイコン群から、人の形をしたアイコンをクリックすると「UNITYアカウント」というポップアップが表示されます。「アカウントを開設」をクリックします。

アカウントの開設

あなたの「Unity ID」を作成するページに移ります。
「Unity ID」はアセットストアのほか、Unity Cloud BuildやUnity Collaborateなど、Unityが提供する様々なオンラインサービスで使用するアカウントです。

CreateUnityID.png

あなたのメールアドレスと希望のユーザーネーム、パスワードなどを登録して進みます。
Click or~~とあるのは、不正なプログラムで機械的にアカウントを作成しているかを確認するための仕組みです。質問に対して正しい図を選びましょう。

パスワードには条件があります。

  • 8文字以上
  • 大文字を1つ以上使用
  • 小文字を1つ以上使用
  • 数字を1つ以上使用

Unity IDパスワードの条件

これらを満たすパスワードを設定したら規約を読み、同意できる場合には「I agree to the Unity Terms of Use and Privacy Policy」のチェックボックスをクリックして「Create a Unity ID」ボタンをクリックします。

余談ですが、あなたがこれからゲーム開発に本格チャレンジをしようと考えている場合、開発活動のためのメールアドレスを新規で作り、普段プライベートで使っているメールアドレスと別に運用すると便利です。Unityのような各種ディベロッパー向けサービスのログインに使用したり、iOS/Androidのアプリを提出する際の問い合わせ先メールアドレスにしたりと様々な用途に使用できます。
あなたのゲームアプリのチーム名やブランド名を作って、メールアドレスに使うとよいでしょう。

アカウントを作ると確認用のメールが登録したメールアドレス宛に届きますので、メール中の"Link to confirm email"をクリックしてください。「Unity ID Confirmed!」と表示されれば登録完了です。

Unity ID Confirmed

あらためて、アセットストアにログインをしましょう。右上の人マークのアイコンから「ログイン」ボタンを選択します。

ポップアップメニューが出ますので、Unity IDとして登録したメールアドレスとパスワードを入力して「ログイン」をクリックします。
これで、アセットストアからひとまず無料のアセットはダウンロードして試せるようになりました。
(有料のアセットを購入する場合は、別途支払い元の設定が必要になります。)

無料のアセットをインポートしてみる

試しに、Unityのプロジェクトへ無料のアセットをインポートしてみましょう。
無料のローポリ背景アセット「Low-Poly Park」を使ってみます。

https://www.assetstore.unity3d.com/jp/#!/content/61922

Unity Asset Low-Poly Park

※チョイスは完全に筆者の趣味です。

Unity エディタを立ち上げ、新しいプロジェクトを作成します。名前はなんでも大丈夫です。
本稿で初めてUnity IDのアカウントを取得した方は、Unityのランチャーで自分のID・パスワードを入力してログインしましょう。

ブラウザに戻り、「Low-Poly Park」の説明文にある「Unityで開く」のボタンをクリックすると、Unity エディタ内でも同様のページが表示されます。(もしUnity エディタ内で開けなかった場合は、ブラウザの設定を見直してみてください。)

アセットストアをUnity Editor内で開く

Unity エディタ内で開くと「ダウンロード」というボタンが現れますので、これをクリックします。初回は「Terms of Service」、つまり利用にあたっての同意事項のポップアップが表示されますので、「同意する」をクリックしておきましょう。

アセットストアで購入(取得)すると、そのアセットのファイルが「.unitypackage」という拡張子のデータとしてダウンロードされます。
開発中のUnityプロジェクトで使うためには、続いてインポート(取り込み)の手順が必要です。

ダウンロードが完了すると、自動的に現在開いているプロジェクトにインポートするかどうかを確認するダイヤログが現れます。ダイヤログには、そのアセットに含まれているファイルリストも表示されます。

今回はこのまま右下の「Import」ボタンをクリックします。

パッケージのインポート

インポートが完了すると、Projectビューの中で確認できるようになります。

プロジェクト内のインポートしたアセットファイル

インポートしたアセットの扱い

今回はプロジェクトを新規作成したので、projectのツリーにはいまインポートしたアセットしかありません。
開発が進んでいくとリソースがどんどん増えていきますから、自分でフォルダを作って用途別に管理する必要があるでしょう。アセットストアからインポートしたファイルも、一部を除いて移動可能です。
(スクリプト系はEditorフォルダやStandard Assetsフォルダ、Pluginフォルダなど移動すると正常に動作しなくなるものもありますのでご注意下さい。)

今回の例ではAssets -> Parkという位置にありますが、この「Low-Poly Park」は3Dモデルですので、他のファイルが増えてきた段階で、例えば
Assets -> Models -> StaticObjects -> AssetStore -> Park や、
Assets -> AssetStore -> Models -> StaticObjects -> Parkなど、「アセットストアからダウンロードしてきたデータであること」「アセットの用途」でフォルダを作って分類するとよいでしょう。

「Low-Poly Park」にはMainSceneという名前で、サンプルのシーンファイルが含まれています。配置や設定を自由に変えて試してみましょう。いくつかのオブジェクトにColliderやRigidbodyをアタッチして、転がしてみるのも面白いですよ。

前編まとめ

これで、アセットストアの最初の一歩は完了です。今回は一番扱いやすい「モデル」タイプのアセットをインポートしましたが、他のジャンルのアセットも触れてみましょう。

「前編」はここまでとなります。「後編」では、取得したアセットの再ダウンロードや、実際に配布するゲームでアセットを組み込む際の規約などについて紹介します。

この記事を書いた人

一條貴彰

一條貴彰株式会社ヘッドハイ 代表取締役

ゲーム作家・Game DevRel。小規模ゲーム開発者がもっと活躍できる世の中作りを目指して、ゲーム開発ツール・サービス専門のDeveloper Relation事業を行っています。ゲーム作家としての代表作は『Back in 1995』(Steam)。